『頭のいい人の思考と行動』を読んだ
プレゼン準備の資料保管庫にも書いたが、プレゼン資料作りに伴うコミュニケーションについて考え直す必要があった。
読んだのはこれ。
効果的なコミュニケーションは、単に多くを話すことではない。 相手のことを考え、慎重に言葉を選び、そして何より相手の話をよく聞くことが重要になる。 また、自己の承認欲求をコントロールし、相手の立場に立って考えることで、より深い理解と信頼関係を築くことができる。
とのこと。
1. 冷静さを保つ技術
感情的になりがちな状況でも、冷静さを保つことが重要だ。 そのためのポイントは以下の2つである。
- すぐに口を開かない
- 相手の反応をいくつか想定し、比較検討する
これは、ファスト&スローで有名なダニエル・カーネマンの言う「遅い思考(システム2)」を活用することにつながる。 「早い思考(システム1)」ではなく、意識的に「遅い思考」を用いることで、より慎重で適切な対応が可能になる。
2. 相手のために話す
多くの人は、自分の知識を披露したいという欲求に駆られがち。 しかし、真に効果的なコミュニケーションは、相手のためになるかどうかを考えることから始まる。
- 話す前に「これは本当に相手のためになるのか?」と自問する
- 知識は誰かのために使って初めて知性となる
- 自分の理解できたことだけを切り取って話さない
3. 結論から話す重要性
多くの人が陥りがちな罠は、結論を最後に持ってくること。 しかし、効果的なコミュニケーションでは、相手が求めている結論を最初に提示することが重要である。
- 重要な情報とその他の雑多な情報を分ける
- 相手の立場に立って考え、求められている結論を把握する
- 必要であれば、「結論とは何か」を相手に直接聞く
4. 承認欲求のコントロール
コミュニケーションの強者になるためには、承認欲求をコントロールする必要がある。 他者を褒めつつ、自分は「なんでもない人間です」という態度を取り承認欲求を満たす側に回ることで、信頼を得られる。
- 自信を持つこと
- 口(自己アピール)ではなく、結果で自分自身の有能さを示すこと
5. 話を深くする技術
「話が浅い人」の特徴は3つ。
- 根拠が薄い
- 言葉の「意味・定義」をよく考えずに使う
- 成り立ちを知らない
話を深くするためのコツは2つ。
- 自分の意見と真逆の意見も調べる
- 統計データを調べる
6. マネジメントの本質
ドラッカーはマネジメントを「組織をして成果を上げさせるための道具、機能、機関」と定義している。
マネジメントの基本サイクル。
- 計画を立てる
- 実行に移す
- 正確に行われたかをチェックする
- 対策を立てる
7. 傾聴の技術
良好なコミュニケーションの半分は、実は「聞く」ことである。 相手に聞かれてもいないのに、自分の話をしてしまうのは、頭のいい振る舞いではない。 効果的な傾聴には以下の態度が重要。
- 肯定も否定もしない
- 相手を評価しない
- 意見を安易に言わない
- 話が途切れたら、むしろ沈黙する
- 自分の好奇心を総動員する
また、人の話を聞く際に考えていることは、以下の2種類に分かれる。
- 自分の言いたいことを考えながら聞く(避けるべき)
- 「反論」や次に自分が話すことで頭がいっぱいになる
- 人の話を否定し、自分が勝った気になるために聞く
- 「うまいことを言おう」「悩みを解決してやろう」と考える
- 〝教えてやろう〟という気持ちが先行し、解決策を押し付ける
- 自己中心的に見え、実際には相手の話を聞いていない状態になる etc…
- 相手の言いたいことを考えながら聞く(推奨)
- 余計な口を挟まず、相手の言いたいことを考える
- 相手の話を正確に理解しようとする etc…
8. 整理しながら聞く技術
相談を受ける際には、以下の3ステップを意識すると効果的だ。
- ゴールの確認(ただし、提案ではなく確認に徹する)
- 相手の考えを聞く(スッキリするまでモヤモヤを吐き出してもらう)
- 話を整理して相手の意思決定を助ける
9. アドバイスの効果
「何を言うか」よりも「だれが言うか」が重要。 人は理屈ではなく、感情で動くため、いくら正しいアドバイスでも、相手を尊敬し慕っていなければ効果は薄い。
10. 質問の技術
質問する前に、相手の立場に立ち、仮説を持つことが重要。
効果的な質問の例。
- 「もし仮に私が〇〇の立場だったら……」
- 「もし私が部長の立場だったら……プレッシャーに押しつぶされそうになると思うが、部長はどうか?」
11. 言語しないことによるデメリット
「言語化する」というコミュニケーションにおいて最も労力のかかるプロセスを電話を受ける側にも負担してもらえるため。
つまり、「とりあえず電話」を嫌うのは〝言語化する〟というコミュニケーションにおける大きなコストを、目の前の作業を中断して、相手のために支払わないといけないからである。