イシューツリーをつくる


イシューからはじめたい。と日々願って仕事をしているものの、イシューを立てられない事が多い。

イシューツリーをちゃんと作れる人は、だいたい仕事が速い。 逆に言うと、イシューツリーが雑だと、仕事はだいたい遅くなる。 たぶん理由は単純で、「こうしたら、ああなる」を想像できていないからだ。想像が弱いと、行き当たりばったりになる。

最近は、イシューツリーを「分解の技術」だと思うのをやめて、「想像を強制する型」なんじゃないかなと。

まず、イシューはでかいほどいい…わけがない

たとえば、こういうイシューを初期に置いたとする。

当社は、どのような選択肢を取れば、事業継続して成長できるか?

言いたいことは分かる。わりと良い。 でも、これを置いただけでは、次の一手が出ない。

優れたイシューステートメント(問いの文章)って、だいたい「正しいことを言っている」だけで、手を動かすにはまだ荒い。ここから「解くための形」に落とす必要がある。

ツリーの構造は「問い」ではなく「答えの形式」で決まる

ここで一回、問いを分類する。

同じテーマでも、答えの形式が違うと、ツリーの切り口は変わる。 「選ぶ」なら候補比較になるし、「達成する」なら工程や打ち手の話になる。

ここを曖昧にすると、ツリーの兄弟ノードが別の種類の問いになって、比較も優先順位もつかなくなる。地味に致命的。

サブイシュー化は、MECEを作る作業ではない

サブイシューを並べるとき、ありがちなのが「漏れなく並べよう」とすること。 でも僕は最近、ここをゴールにしないようにしている。

サブイシュー化で作りたいのは、**上位イシューを支える“十分条件のセット”**だ。 つまり「このセットが満たされれば、上位に答えられる」という形。

「必要条件を漏れなく」より先に、まず「このセットで上位を説明できるか」を見る。漏れは後でいい。最初から漏れなくしようとすると、枝が増えて、結局なにも決まらない。

「解ける切り口」じゃない枝は、置かない

もう一個、サブイシューの条件がある。

サブイシューは、解ける切り口になっていないと置く意味がない。 言い換えると、次のどれかに落ちる必要がある。

逆に、検証不能・判断不能・行動不能なら、その枝は「それっぽい言葉」でしかない。 そういう枝は、細分化して延命させないで、切り口のセットごと組み替えるほうが早い。

ツリーは小さく作る(増やすほど遅くなる)

ツリーを作ってると、枝は無限に増やせる。 そして枝が増えるほど、「分かった感」は増える。

でも実務ではだいたい逆で、枝が増えるほど遅くなる。

目安としては、

くらいに抑えるのがちょうどいい。 これを超えるなら、たぶん「問いの型」がずれてるか、「解ける切り口」になってない枝が混ざってる。

順序の分解と、並列の分解は混ぜる

分解の仕方には、ざっくり2種類ある。

実務のツリーは、だいたい混ざる。

上位は並列で「どこが効くか」を押さえ、 中位から下位で順序に落として「いつまでにどう変えるか」にする。

ここがうまくいくと、ツリーが「図」じゃなくて「計画」になる。

例:でかいイシューを、解ける形にする

さっきの例を、無理やり一段だけ解ける形にしてみる。

上位: 「事業継続して成長するには、どの選択肢を取るべきか」

一段下(十分条件のセットのつもりで置く): 「①成長余地がある領域を選べているか」 「②勝てる提供価値を作れているか」 「③継続できる収益構造になっているか」 「④やり切れる運用に落ちているか」

ここでのコツは、4つを“それっぽい観点”として置くことじゃない。 この4つが揃ったら「成長できる」を説明できるか、をまず疑うこと。

そして各枝が、ちゃんと解ける問いに落ちているかを見る。 落ちてないなら、枝を増やすんじゃなくて、切り口を変える。

おわりに

イシューツリーって、作ると気持ちいい。 でも本当の価値は、気持ちよさじゃなくて、意思決定と行動が速くなるところにある。

「十分条件のセット」になっているか。 「解ける切り口」になっているか。 枝を増やして満足してないか。

この3つを見てるだけで、ツリーの品質はだいぶ変わると思う。