『マネジメント[エッセンシャル版]』を読んだ
要約
- 企業の目的は顧客創造であり、事業の意味を考える際は顧客を問う。価値のない活動は廃棄すべし。
- 戦略計画では将来の成果につながる活動に資源を割り当て、最高の人材を充てる。
- 優れたマネージャーは部分より大きな全体を生み出し、短期と長期の調和を図る。
- 真摯さに欠ける者、弱みばかり見る者、人を仕事より重視する者はマネジャーに不適格。
- 意思決定は影響範囲が狭く、定性的要素が少なく、頻度が低いレベルで行うべし。
- 悪い組織の兆候は階層の多さ、組織問題の頻発、重要でない問題への注力、感情の優先など。
- 人のマネジメントの本質は成果にフォーカスし、人の強みを生かすリーダーシップ。
以下、抜粋&メモ
企業の目的
顧客を創造すること
事業とは何か
顧客から始める。
つまり、事業とはなにか?とは
- 顧客がだれで
- どこにいて
- なにを買うのか
という問いに答えないといけない。
廃棄の検討
あらゆる種類の活動、製品、工程、市場について、「もし今日これを行っていなかったとしても、改めて行おうとするか」を問わなければならない。答えが否であるならば、「それではいかにして一日も早く止めるか」を問わなければならない。さらに、「何を、いつ行うか」を問わなければならない。
戦略計画
将来において成果を生むべき活動に資源を割り当てて、初めて意味を持つ。
「今日この仕事のために、最高の部下のうち誰を任命するか」を問うことが不可欠
今日の仕事は、昨日の仕事と明日の仕事があるので、そこの分類もセットになりそう。 昨日の仕事が得意な人と明日の仕事が得意な人がいるはず。
マネージャーとは?
基準は命令する権限があるかどうかではなく、貢献する責任を持っているか?(貢献する強い意思があるかどうか?)
マネージャー2つの役割
①第一の役割は、部分の和よりも大きな全体、すなわち投入した資源の総和よりも大きなものを生み出す生産体を創造することである。それは、オーケストラの指揮者に似ている。オーケストラでは指揮者の行動、ビジョン、指導力を通じて、各パートが統合され生きた音楽となる。したがってマネジャーは、自らの資源、特に人的資源のあらゆる強みを発揮させるとともに、あらゆる弱みを消さなければならない。これこそ真の全体を創造する唯一の方法である。
②第二の役割は、そのあらゆる決定と行動において、ただちに必要とされているものと遠い将来に必要とされるものを調和させていくことである。
真摯さの欠如
いかに知識があり、聡明であって上手に仕事をこなしても、真摯さの欠如は組織を破壊させる。
以下は真摯さの欠如の定義
①強みよりも弱みに目を向ける者をマネジャーに任命してはならない。できないことに気づいても、できることに目のいかない者は、やがて組織の精神を低下させる。 ②何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つ者をマネジャーに任命してはならない。仕事よりも人を重視することは、一種の堕落であり、やがては組織全体を堕落させる。 ③真摯さよりも、頭のよさを重視する者をマネジャーに任命してはならない。そのような者は人として未熟であって、しかもその未熟さは通常なおらない。 ④部下に脅威を感じる者を昇進させてはならない。そのような者は人間として弱い。 ⑤自らの仕事に高い基準を設定しない者もマネジャーに任命してはならない。そのような者をマネンャーにすることは、やがてマネジメントと仕事に対するあなどりを生む。
意思決定の分類
- 決定により影響する時間軸の長さ
- 決定により影響する部門や組織の範囲
- 考慮に入れるべき定性的要素の数(企業の価値観、信条、特定の人物)
- 問題の発生頻度
原則して、可能な限り低いレベルで止める。つまり、影響する時間軸は短く、部門や組織の範囲は狭く、定性要素は少なく、発生頻度が低くなるような意思決定を第一原則にすべき???
悪い組織
- マネジメント階層が多い
- 組織構造に関わる問題が頻発する
- 要となる人物の注意を重要でない問題や的外れな問題に向けさせる
- 人の感情や好き嫌いに気を使うようになる
- 調整役や補佐役などの仕事をしない人たちを必要とするようになること
人のマネジメント
人をマネジメントすることは、仕事をマーケティングすることを意味する。マーケテイングの出発点は、組織が何を望むかではない。「相手が何を望むか」「相手にとっての価値は何か」「目的は何か」「成果は何か」である。
そもそも問題そのものを定義しなおさなければならない。問題は、人の働き方についてのマネジメントの仕方ではない。理論においても実務においても、間題は、成果についてのマネジメントの仕方じある。ちょうどオーケストラやフットボールの中心が音楽や得点であるように、人のマネジメントの中心となるべきものが成果である。
人について行うべきは、マネジメントすることではなく、リードすることである。その目的は、一人ひとりの人間の強みと知識を生かすことである。