忘れがちな「生産性」について
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日本企業は「付加価値を上げる=新たな機能を追加すること」、もしくは、「付加価値を上げる=高機能化すること」と考えているかのようにみえますが、欧州の家電メーカーなどは、「機能を絞る」ことで付加価値と価格を上げる手法も多用しています。 企業側からみれば「機能を削り、コストを下げて付加価値を上げる」なんて起こりえないと思うかもしれませんが、消費者からみれば「機能が絞られ、使いやすくなったので付加価値が上がる」「単機能となり、デザインがすっきりしたことで付加価値が上がる」のは不思議でもなんでもありません。
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つまり、生産性を計算するときの分子である成果の価値とは、分母である投入原材料の価値の合計値ではなく、「顧客が評価する価値」のことなのです。 これが理解できていないと「機能を絞り込んで価格を上げる」という発想は出てこないでしょう。
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ベンチャー企業やオーナー企業の意思決定が速いのは、彼らが自分なりの意思決定のロジックをもっているからです。 ロジックがあるから、部下に情報を集めさせればすぐに意思決定ができるのです。 「情報が足りないから今日の会議では決められない」という話になったときは、必ず「足りないのは本当に情報なのか? 意思決定のロジックは明確なのか?」という視点で確認をしましょう。