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『人新世の「資本論」』を読んだ


いろんな文脈で資本主義は限界。みたいな話はありますが、環境問題もご多分に漏れずその文脈に含まれています。

ただ、個人的には「とはいえ資本主義の成長よる技術の発展でなんとかなるんでしょ、どうせ。」的にテンションだったんですよね🤨

おそらく大多数の人が僕と似たような感覚でいると思ってて、最近よく聞くSDGsとかも今の資本主義経済の根本は維持しつつ、いい感じに環境問題に取り組んで、いい感じで解決するみたいな取り組みなんですかね?(調べてない)

本著は、SDGsやらに対する批判からはじまり(SDGsは「大衆のアヘン」である!)、マルクスの資本論に新たな解釈やら彼が晩年考えていたことやらをベースに、既存の資本主義による終わりのない成長への渇望から脱却(脱成長経済)を目指しています。

「じゃあどうやって資本主義から脱却すんだよ!」というのが、冒頭からずっと頭の中にあったんですが、なかなか具体案は出てこないので、理想論に終始してたらどうしようかと不安に思ってたいんですが、終盤に具体例が書かれていました。すいません。

もう少し具体的に書くと、僕らは以下に取り組むことで資本主義から脱却を試みないといけません。

1.(資本主義的な)価値から使用価値への転換

2.労働時間の短縮

3.画一的な分業の廃止

4.生産過程の民主化

5.エッセンシャルワーク(生きていく上で必要な仕事)の重視

…こうやってみると、ザ資本主義って感じの概念ですね。

ただ、既に資本主義の世界で生きてきた僕らにとって、脱成長、脱資本主義と聞くと、ネガティブな印象を持ってしまいませんか?

社会主義的なソ連の時代に戻れっていうのか!!!って。

僕自身、ベルリンの壁やらソ連崩壊やらの時代生きてないので、よくわからないんですが、若い人たちを中心に社会主義的な経済を目指そう的な思想が広がってるとかいないとか。

流石にあの時代に戻れというのは無理な話だと著者も認めていて、今の何かにつけて希少性をモノに付与して、どんどん生産・消費させようとする流れから脱却しよう。利益を求める資本家によって管理されるモノではなく、コミュニティでモノを管理しよう。みたいに主張しています。

個人的には、この主張は非現実とは言えないなーと思いました。(文脈は違うけど、仮想通貨とかもそういう概念的なもの含んでるんじゃないですかね?)

ただ、とは言え、現在資本主義の恩恵を受けている富裕層が動かしている世界で実際に脱成長経済なんて無理なんだろうなと僕は考えてしまうわけなんですが、最後に心強い一言があったので、紹介しておきます。

ただ、そうはいっても、私たちは資本主義の生活にどっぷりつかって、それに慣れ切ってしまっている。 本書で掲げられた理念や内容には、大枠で賛同してくれても、システムの転換というあまりにも大きな課題を前になにをしていいかわからず、途方に暮れてしまう人が多いだろう。 もちろん、資本主義と、それを牛耳る1%の超富裕層に立ち向かうのだから、エコバッグやマイボトルを買うというような簡単な話ではない。 困難な「闘い」になるのは間違いない。 そんなうまくいくかどうかもわからない計画のために、九九%の人たちを動かすなんて到底無理だ、としり込みしてしまうかもしれない。 しかし、ここに「3.5%」という数字がある。 なんの数字かわかるだろうか。 ハーバード大学の政治学者エリカ·チェノウェスらの研究によると、「3.5%」の人々が非暴力的な方法で、本気で立ち上がると、社会が大きく変わるというのである。

3.5%と聞くとなんだが勇気が持てる話になりませんか?

すでに、国でも企業でもなくコミュニティが資源を管理する構想が、バルセロナなどのヨーロッパの一部の都市で実現しているようです。

一昔前なら、一部の都市だけで終わってしまう話だったかもしれないですが、SNS等のおかげで脱成長の思想が一気に広がる未来は想像に難くないなと。

環境問題に関心がない(僕のような)人でも、現在の資本主義の欠陥についての話が中心にあるのでけっこう面白いかったです。

気になった人は読んでみてはいかがでしょうか。