『チームが機能するとはどういうことか』を読んだ
「チーム・組織について考える」ための本をいくつか読んでみたんですが、どちらかというと抽象的な話(チーム論というよりも組織論に近い話?🤔)だった気がします。
チームとはなんなのか、もう少し具体的に考えてみたくなり「チームが機能するとはどういうことか」という本を読んでみました。
気になったところを抜粋しつつ整理します。
チームが機能するとはどういうことか ― 「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ
チームが機能するとは
チームが機能しているというのは、「学習しながら実行することができている」状態です。
学習しながら実行できる真のチームになるには、それを促す組織と組織の中で働く人のマインドセットが前提として必要そうです。
この時のマインドセットを生む環境づくり等を「チーミング」と呼びます。
うまくチーミングするために
IT業界なら、エンジニア・デザイナー・ディレクター?PM?・セールスといった職種だけでなく、職種の中でも例えばエンジニアならフロントエンド・バックエンドのように多様な職種、職責の人が働いています。
多くのケースにおいて、チームはそれらの人々が集まってできるものです。
そういった人々をうまくチーミングするということは、**メンタルモデルも多様である中でコミュニケーションを図ること。
加えて、大勢がともに仕事をする場合にどうしても生まれる意見の衝突を管理することにあります。**
そのためには、学ぶこと(質問する、好奇心を持つ、傾聴する) と教えること(コミュニケーションを図る、結びつける、明らかにする) に関連する対人能力の向上が必要です。
チーミングとは、協力して仕事に取り組むことを積極的に受け容れる考え方であると同時に、知識の共有と統合がしっかり行われる一連の行動ということになります。
境界を超えたコミュニケーションを図る
多様なメンタルモデルをうまくまとめ上げるコミュニケーション、境界を超えたコミュニケーションを図るためには、以下のようなことに気をつけてみましょう🤲
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共通の目標をフレーミング(※)し、人々を1つにまとめ、コミュニケーションの障壁を乗り越えようとする意欲を高めること。
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関心を示し、情報を共有したり質問したりすることが良い行動だという共通認識を取ること。
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対象業務のプロセスの指針を示して、チーム内のコラボレーション構築の後押しをすること。
※フレーミング: どこを強調するかによって与える印象を変え、意思決定に影響を及ぼす心理現象のこと。
共通の目標をフレーミングする
共通の目標をチーム全員が持つ力は強力です。
ではどうやって共通の目標を持てるようにするのか。単にチームリーダーが、理論武装して声高に主張すればよいでしょうか?🧐
1つの答えが「質問」です。
大抵の場合、よい質問>良い答えであり、チームメンバーそれぞれが自発的に共通の目標を持てるようにすることが大事です。
あまりに多くの未来のリーダーが、質問のパワーについて気に留めず、代わりに強力に主張することによって人々を引っぱっていこうとしている。
複雑な業務で人々をリードするというのはたいてい、よい答えではなく、よい質問を多く提供することなのである。
ただ自発的に持った目標が本当に共通の目標になっているかどうかのコミュニケーションは必要だと思います。
学習本位のフレーミング
基本的に仕事の中で自然発生するフレーミングの多くは、自分を守ろうとするものになるらしいです。(仕事に限った話ではないと思いますが。)
守りのフレーミングは、学習の機会を奪ってしまいます。
心理的安全性もこれに似た話ではないかと。
目的達成と本質的に関係のないの不安(嫌われるかもしれない。スキルがないと思われるかもしれない。とか)などが生まれる環境では、学習に対してのフォーカスがあたりづらいのは想像に難くないですね🤔
心理的安全性の誤解
仲良くすること=心理的安全ではないぞ。と😎
心理的安全は、メンバーがおのずと仲良くなるような居心地のよい状況を意味するものではない。プレッシャーや問題がないことを示唆するものでもない。 心理的安全は、チームには結束力がなければならないということでも意見が一致しなければならないということでもないのである。
失敗から学ぶ
守りのフレーミングから脱却して、学習本位のフレーミングにリフレーミングするには、失敗から学ぶことが前提の組織、チームでないといけません。
失敗から学ぶための戦略
一言で失敗といっても、その種類はいくつかありますよね。
本著では、失敗の種類を3つに分けて、それぞれの失敗から何を学び、アップデートするかの戦略をまとめてくれています。
失敗から学ぶ。ってよく言われていますが、実際自分の中で意識的にそれができているかは、また別の話なので、体系化されているのはありがたいです🙇♂️
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避けることができる失敗から学ぶための戦略
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複雑な失敗から学ぶための戦略
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知的な失敗から学ぶための戦略
1.避けることができる失敗から学ぶための戦略
1-1**.失敗に気づく**
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どうすべきかわからないときに、安心してマネージャーや同僚に相談できるようにする。
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問題に気付いたらインセンティブを与える。
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学習と練習という価値を持つ「誤報」(問題が起きた可能性があったが、結果的に以上なしとわかった場合)にインセンティブを与える。
1-2**.失敗を分析する**
- プロセス改善のために伝統的な手法を使ったり磨いたりする。
1-3**.失敗を発展させる**
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ちょっとした試みを促してプロセスの実行可能性を確かめる。
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技術や顧客の好みが徐々に変わっていく場合は特に力を入れる。
2.複雑な失敗から学ぶための戦略
2-1**.失敗に気づく**
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ミスや問題を安心して報告できるようにする。
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脆弱性を発見するシステムにインセンティブを与える。
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大小に関わらず失敗を早く報告したらインセンティブを与える。
2-2**.失敗を分析する**
- 職能上の枠を超えたチームを招集し、なにが起きたのか様々な観点から確認する。
2-3**.失敗を発展させる**
- 危機を未然に防ぐ仕組みをプロセスに導入するため、本来の仕事を離れて試みを行い、失敗の新たなパターンを認識する。
3.知的な失敗から学ぶための戦略
3-1**.失敗に気づく**
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安心して試みを行えるようにする。
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成功しない試みに早く気付いたことに対してインセンティブを与える。
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失敗に終わったプロジェクトを早く報告したことに対してインセンティブを与える。
3-2**.失敗を分析する**
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科学的方法を使ってデータを体系的に分析する。
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傾向やパターンをざっと評価して中身のない意見を述べないようにする。
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様々な意見を取り入れる。
3-3**.失敗を発展させる**
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様々な手法を使って、より頻繁に試みを行う。
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テスト(試験的な実施)にあたっては、成功と証明としてではなく失敗がどのように生まれるかを認識する試みを行う
複雑系から生まれる失敗
特に僕の場合だと、複雑な業務プロセス(ex.多くのステークホルダーが絡むような業務プロセス)から生まれる失敗には悩まされます😫
ただ、失敗の原因は誰か1人、何か1つがではなく、複数系のシステムの故障です。
これを念頭において、システムを改善するなりしてアップデートを行う必要があります。
彼ら全員がかかわって、その失敗は起きたのである。 ただ、誰か一人を選び出して問題の原因はこの人だとは言えない。 というのは、分析すれば因果関係が複数あることが見出され、究極の原因はシステムの故障だということになるからだ。 … 複雑な業務を行うリーダーは心理的に安全な環境を、すなわち人々が学習するというリスクを引き受けられる場をつくることに、ルーチンの業務の場合よりはるかに注意を傾けなければならない。
学習しながら実行するための心構え
学習が大事。よく聞く話です。
だた、自分自身もしくはチームが「学習しながら実行」を体現できているかというと…。
人々は常に今の業務内容などが不完全なものであることを意識し、仕事をするための新しいよりよい方法をみんなと協力してぜひ見つけたいと思うこと学習しながら実行するために心構えとして持っておく必要がありそうです。
学習しながら実行するためには厳しい規範を求められる。人々はつねに、今ある答えが不完全であることを意識し、のである。