『確率思考』を読んだ
日常生活でも仕事でもなにかを決めることを極端に避けがちで、定期的に意思決定系の本を手に取るんですが、本著「確率思考」もそれです。
確率思考
著者は元?プロポーカープレイヤーみたいなんですが、ポーカーに限らず、優れた意思決定というものがどういうものか。どうして人はそれができないのか。みたいなところについて著者の事例も交えて語っています。
人は意思決定の質と、その結果を結びつけてしまいがちで、結果がよかったから良質な意思決定で、悪い結果なら粗悪な意思決定だった。みたいな後付けちゃうんだけど、そもそもそんなわけねーから。みたいなところからポーカープレイヤーはマインド作ってく。とか
優れた意思決定だったかどうかは、結果の良し悪しで判断することはできません。
意思決定が優れていても悪い結果にこともあるし、逆に意思決定が悪いものであったとしても良い結果になることもありますよね。
つまり、「絶対にこうだ!」みたいなことはほとんどないわけで、僕たちは「わからない」ことがあるということを受け入れないといけません。
わからないこと、不確実性を受け入れることで、意思決定を行うプロセスの中で白か黒かの極端な思考に陥る可能性が低くなり、考えられるあらゆるプロセスを吟味した上での意思決定が可能になるということでしょうか🤔
この世界には不確実性が常に存在し、自分の考えはこれまで信じてきたほど確実でなく、白か黒かで割り切れるものはほとんどないのだとわかってくるだろう。 これは生きていくうえで非常に重要な哲学である
僕たちはついつい、結果の良し悪しにだけ注目してしまいます。
結果がよければ気持ちがいいし、間違っていたら苦しくなり逃げ出したくなってしまいます。
ただそこだけに注目してしまうと、なにも学ぶことはできず、意思決定とそこに到達するまでのプロセスのクオリティアップに繋がらないことを認識しておく必要があるでしょう。
自分が正しいと思うことは気持ちいい。 「私は正しかった」「こうなるとわかっていた」「ほら言っただろう」にするときの気分はとてもいい。 「間違う」ことの苦しみから逃れるために、「正しい」ことの快感を手放すベきなのだろうか? 答えはイエスだ。
意思決定は「賭け」
意思決定をポーカーと同じ賭けだと捉える。
賭けには負けたくないので、想定できるあらゆる可能性を考慮した上で賭けに乗るかどうかを決める。
これと同じようなことを意思決定のプロセスでも行う必要があるということです。
意思決定を賭けとして捉えることで、自分の主観に基づく意思決定の不確実性について立ち止まって考えることができそうです。
主観という判断材料やそれに基づく決定による結果が、どれくらい不確実なものなのかを見つめ直すきっかけになります。
意思決定が主観に基づいた賭けであると認め、不確実性を受け入れ、正しさと間違いを定義し直すことは、優れた意思決定を目指すうえで不可欠なアプローチである。
主観が正確になればなるほど、優れた基準で意思決定を行えるようになります。
これまでの経験や情報を使って、客観性を主観に加えていくことで、主観が正確になり、この世界をより正確に映し出すことができるようになります。
それが僕たちが優れた意思決定をするための「スキル」となります。
賭け=スキル×運
賭けの結果を決めるのは、僕たちの「スキル」だけでなく、「運」の要素も影響してきます。(賭けの内容によってはその2つの割合は変わってきますが。)
僕たちは「スキル」はコントロールできますが、「運」とコントロールすることができません。
スキルを磨く
結果(とそれまでのプロセス)から学ぶ必要があるわけですが、この結果が「スキル」の影響を大きく受けたと判断したのか、「運」の影響をを大きく受けたと判断したのかによって、僕たちが結果から学べることは大きく変わってきます。
簡単な例だと「あれは運がわるかった😫」と捉えるのか、「あそこで〇〇をしておけばよかった😫」と捉えるのかで全然違いますよね。きっと。
私たちも「結果」というボールをどこに投げ込むか賭けをしている。 自分に責任がある「スキル」のバケツに入れるか、自分に責任のない「運」のバケツに入れか。の選別作業によって、何かを学べる経験(スキルの結果)に注目し、そうでないもの(運の結果)を無視することができる。 これがうまくいけば経験を積むごとにどんな「もっと」にでも近づける。 もっとよく、もっと賢く、もっと健康に、もっと幸せにもっと裕福になれる。
バイアスに陥らないためのTips
不正確な主観を生み出すバイアスについてですが、ここでは気になった2つを最後に紹介して終わりま
1.情報と情報源を切り離す
「最初、△△という決定をしてたけど、□□さんが言ってたから、〇〇ではないかと思い始めた」みたいなことって現実だとよくありますよね🙃
これを回避するために「情報と情報源を切り離す」必要があると思います。
得た情報を、実際よりもはるかに自分が重視あるいは軽視する情報源から得たものと想像してみます。
好きな人から話を聞いたときは嫌いな人が同じ話をしたと想像し、逆の場合にもこの考え方を当てはめて考えてみる。というわけです。
2.未来を偵察する
成功した未来を想像してそこからバックキャスティングすることは、目標到達に必要なステップ を見極めるためのタイムトラベル法である。 これに加えて、「起きてほしくない」未来を自分に想像させることができれば、このアプローチはさらに効果を発揮する。
ゴールから逆算する。というのは鉄板の思考方法ですが、僕が場合、これを使うのは「自分が望んでいるゴール」から逆算する。ときだけだったので、、「起きてほしくない」未来を想像する。というのは確かにいい手だなと思いました。
最後に。
より良い意思決定をするには未来の偵察が必要だ。 意思決定を未来への賭けと考えれば、賭ける前にあらゆる未来を細かく思い描く必要がある。 すべての決定には複数の結果が伴うのだから。 過去の記憶を集めて未来のイメージをつくり、どのような結果が起こりうるかを考えれば、いか なる意思決定をすべきか判断するヒントになる。 あらゆる可能性を想像してそこに賭けよう。 そのためにはまず、さまざまな未来を具体的に思い描こう。