フック・モデルについて考える。【リワード編】
フック・モデルについて考える第三弾です。
リワードって?
ユーザーは、なにかしらの対価・報酬を得るためにそのサービス内でアクションを起こします。
この対価・報酬をリワードといいます。
リワードは、ユーザーのニーズを満たすものであると同時に、繰り返して使うことを喚起するものでないといけません。
リワードにはいくつか種類があり、習慣化を促すサービスは必ず1つ以上のリワードを提供しています。
リワードは大きく3つに分類されます。
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トライブリワード
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ハントリワード
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セルフリワード
1. トライブ(社会・集団)リワード
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他者との繋がり
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社会的な報酬
のようなものに分類されるのが、トライブ・リワードです。
(あるあるですが)「いいね」とかをたくさんもらったことで承認欲求が満たされたりするのは、トライブリワードです。
他にも自分が関わるコミュニティに奉仕することによる満足感などもトライブ・リワードであり、Stack Overflowとかはエンジニアに対して上手くトライブ・リワードを与えているのではないでしょうか🤔
2. ハント(狩猟)リワード
ハントの文字通り、(ユーザーにとっての)資源を探すことで得られるリワードです。
面白いなと思ったのは、あくまで**「資源を探すこと」自体がリワード**になること。
具体例を出すとピンときやすいのですが…。
例えばスロットとかパチンコとかで「当たるかも🤩🤩🤩」となっている時、人はハント・リワードを享受している状態にいるのではないでしょうか。
当たった後のコインとか出玉はおまけでしかないということです。(もっとイイ具体例がありますよね…)
他にもTwitterで、「自分にとって価値あるツイートを探すためにスクロールしている状態」とかもハント・リワードにあたります。
Twitterがパーソナライズしまくって、全てが自分にとって価値あるツイートになったら、Twitterはユーザーにとって価値のないサービスになるのかもしれませんね🧐
(Twitterはタイムラインを見ることだけが機能ではないので、別のリワードを提供できていると思いますが。)
3. セルフ(自己)リワード
自己リワードは、ユーザー個人で完結してしまうタイプのリワードです。
サービスのある機能を習得したことによる達成感とかはセルフ・リワードに当たります。
例えば、他者と関わりがないオフラインゲームとかで、使える技が増えたりするのはセルフ・リワードです。
大事なのは予測不能性
リワードで大事になってくるのが「予測不能性」という要素です。
予測が難しいリワードは、行動を繰り返す際の強力な材料になります。
モノゴトの因果関係が想定できるパターンから外れた時。や日常から大きく逸脱した出来事に遭遇した時。は、それを体験したユーザーにとって大きなリワードになるかもしれません。
先が読めるような映画とかドラマって一気につまんなく感じることありますし、逆に次の展開が読めない映画とかドラマは、どんどん次の話を見たくなりますよね。
予測不能性はフリーパスではない
予測不能なことをするのは、けっこう簡単かもしれないです。
が、なんでもかんでもユーザーにとって予測不能にしてしまえばいい。というわけではもちろんありません。(当たり前ですが)
報酬は、なぜそのサービスが使われるのかという質問に対する答え、そしてユーザーの内的トリガーとモチベーションに沿ったものでなければならないのである。 Hooked ハマるしかけ より
予測不能性を有効に利用するには?
紹介されていたのは2つ。
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ユーザーの自主性を維持すること
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体験の幅を限定させないこと
1. ユーザーの自主性を維持すること
ユーザーの行動に対するフィードバックを予測不能にしてしまうのは簡単ですね。
極端な例だと、「保存ボタンを押したのに保存されてない!!!😡」とか。
しかし、この手の予測不能なリワード?で喜ぶユーザーはいないでしょう。
サービスを使っているユーザー自身が主導権を握っている(自己帰属)感覚をきちんと持たせるようにしましょう。
ユーザーはサービスを義務的にではなく、自主的に使いたいと思っています。
義務を強いられると反抗したくなります。
…ユーザーにさせたいことに基いて、サービスを作らないようにしたいですね🖐
2. 体験の幅を限定させないこと
ユーザーがサービスを長い時間使い続けると、先が読める(予測可能な状態)になってしまいます。
そうなると、サービスの魅力を少しづつ感じなくなってしまうでしょう。
興味を失わさせないために、提供するサービス・プロダクトには無限の可能性が組み込まれていることが大事です。
投稿当時ですが、Alexaは、処理できないようなお願いをすると、「すいません。勉強中です。」的な返事をしてくれます。
対してSiriは「すいません。よくわかりません。」と返事します。
…どちらに、今後可能性を感じますか?