APIが半額になったらCodexも2倍使えるのか?
GPT-6 SolとLunaがリリースされた。
今回かなり気になったのが価格で、GPT-6 SolはGPT-5.6 Solと比較してAPI価格が50%安くなっている。
GPT-5.6 SolからGPT-6 Solでは、
- Input: $4 → $2
- Output: $20 → $10
と、ちょうど半額になった。
OpenAIによると、キャッシュや推論基盤の改善によって提供コストを下げ、その分を価格に反映しているらしい。
自分は普段Codexをかなり使っているので、ここで気になった。
APIが半額になったなら、ChatGPT Proに含まれているCodexも2倍くらい使えるようになるのだろうか?
結論からいうと、2倍ではない
OpenAIが公開しているCodexの利用目安を見ると、GPT-6 SolはGPT-5.6 Solより利用枠あたりで多く使える。
ただし、2倍ではない。
GPT-5.6 SolからGPT-6 Solへの変化は、おおむね以下のようになっているぽい。
| プラン | GPT-5.6 Sol | GPT-6 Sol |
|---|---|---|
| Plus | 10〜100 | 15〜150 |
| Pro 5x | 50〜500 | 70〜700 |
| Pro 20x | 200〜2,000 | 300〜3,000 |
5時間あたりのローカルメッセージ数の目安。
なので、ざっくりいうと、
GPT-6 SolではGPT-5.6 Solの1.4〜1.5倍くらい使える。
逆に、1タスクあたりの利用枠消費として考えると、だいたい29〜33%くらい減っている計算になる。
APIは50%安くなったのに、サブスクで使える量は40〜50%増。
そもそも、使うトークン量が半分になったわけではない
最初は、
「GPT-6の方が効率がいいから、同じ仕事を半分くらいのトークンで処理できるようになったのでは?」
とも思った。
ただ、これも違いそうだった。
CodexometerというCodexのUsageを計測するOSSを作っている人が、GPT-6 Solのリリース直後にGPT-5.6 Solとの比較をしている。
同じ3つのコーディングタスクをHigh reasoningで実行した結果が以下。
| Task | GPT-5.6 Sol | GPT-6 Sol |
|---|---|---|
| Dependency Scheduler | 17.1K tokens | 16.6K tokens |
| Version Resolver | 14.0K tokens | 14.8K tokens |
| Event Processor | 14.5K tokens | 15.1K tokens |
| 合計 | 45.6K | 46.5K |
むしろGPT-6 Solの方が少し多い。
3タスクだけなので、この数字だけで一般化することはできない。
ただ少なくとも、
API価格が半額になったのは、同じ仕事を半分のトークンで処理するようになったからではない
ということはわかる。
使っているトークン数はほぼ同じなのに、APIコストはほぼ半分になっている。
では何が安くなったのか
以下の3つは同じではない。
- AIが実際に消費するトークン量
- APIで1トークンに対して支払う価格
- ChatGPTのサブスク内で消費するCodexの利用枠
今回のGPT-6 Solでは、ざっくり以下の関係になっている。
| 比較項目 | GPT-5.6 Sol | GPT-6 Sol | 変化 |
|---|---|---|---|
| API価格 | 100 | 50 | 約50%減 |
| 同一タスクの実トークン量 | 100 | 約100 | ほぼ同じ |
| Codexのサブスク枠消費 | 100 | 約67〜71 | 約29〜33%減 |
| 同じ枠で使える量 | 100 | 約140〜150 | 約40〜50%増 |
要するに、
APIは半額になった。
でも、
使うトークン量は半分になっていない。
そして、
サブスクのCodex利用枠は、半分ではなく3割前後軽くなっている。
ということになる。
なぜサブスクは半額にならないのか
ここはOpenAIがCodexの内部的なquotaの換算方法を公開していないので、正確なことはわからない。
Codexometerの作者も、API換算価格からChatGPTプラン内部のquota weightingを推測することはできない、と書いている。
つまり、
APIで1ドルかかる処理 = サブスクで○%消費する
という単純な換算ではない。
OpenAI側ではモデルごとに別の重み付けをして、5時間枠や週間枠を管理していると考えた方がよさそう。
API価格を50%下げられるほどGPT-6 Solの提供コストは下がった。
一方、そのコスト低下の全部をサブスクの利用枠拡大として還元しているわけではなく、Codexでは40〜50%程度の利用量増加になっている。
というのが、公開されている数字から読み取れる範囲だと思う。
それでもCodexユーザーにはかなり大きい
2倍ではないとはいえ、1.4〜1.5倍は普通に大きい。
自分の場合、Codexをかなり日常的に使っているので、同じProプランのままで3割程度枠が減りにくくなるのであれば十分ありがたい。
しかもGPT-6 Solは安くなっただけではなく、OpenAIのベンチマークではGPT-5.6 Solよりコーディング性能も上がっている。
つまり、
性能が上がりながら、利用枠も減りにくくなった
ということになる。
さらに面白いのがLunaで、GPT-6 LunaのAPI価格はSolのさらに20分の1。
Codexのモデル選択でも、OpenAIはSolを複雑なコーディングやエージェントタスク、Lunaをより集中した大量処理向けとして位置付けている。
なので今後は、
- 普段の軽い作業はLuna
- 複雑な実装はSol
- 本当に難しいものはAstra
みたいに使い分ける方が、Codexの利用枠をかなり効率よく使えそう。
まとめ
最初に気になった、
「APIが半額になったらCodexも2倍使えるのか?」
について。
答えは、
2倍にはならない。GPT-6 Solは、GPT-5.6 Solより1.4〜1.5倍程度多く使える。
だった。
そしてもう一つ面白かったのは、GPT-6 Solが半分のトークンで仕事をしているわけではないこと。
今わかっている範囲では、
- API価格は約50%減
- 同じ仕事で使うトークン数はほぼ変わらない
- Codexのサブスク枠消費は約3割減
という関係になっている。
API価格とトークン数とサブスクの利用枠。
なんとなく同じものとして考えていたけど、別々に考えた方がよさそうだった。
個人的には「API半額」そのものより、同じPro料金でCodexを1.4〜1.5倍くらい回せるようになったことの方がうれしいアップデートかもしれない。