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「専門家以外の人のための決算書&ファイナンスの教科書」を読んだ


会計やファイナンスに限った話ではないなと思ったところを抜粋。

意思決定はキャッシュフローをモノサシにするのが原則。

意思決定の基準は、プロジェクトの中身によって変わってくる。  まず、どちらの製品をより積極的に販売すべきかというように、現在の仕組みや体制などを変えないことを前提に、現時点から1年以内の短い期間の中で意思決定(短期的意思決定)を行なう場合はどちらのほうがより利益が多くなるかで考えていくことが必要になる。 また、1 年以内の短い期間の意思決定を行なう場合は、利益の出るタイミングの違いもほぼ無視できるので、利益を割り引いて比較する必要もない。 一方、5 年間使えるような設備を購入してもよいかといったように、現在の仕組みや体制を変更し、またその意思決定の影響が1年を超えた数年にわたって出るような意思決定(長期的意思決定)を行なう場合は、NPV 法や IRR 法を使ってどちらが(フリー)キャッシュフローが多くなるかで考えていく。 また、この場合は(フリー)キャッシュフローが生み出されるタイミングの違いも数年にわたるので、その違いを反映するために第2章で見てきた WACC を使って割り引く必要が出てくる。 つまり、短期の意思決定は利益をベースにして割り引かずに評価し、また、長期の意思決定はキャッシュフローをベースにして割り引いて評価していくのだ。


利益とキャッシュフローの違いに手触り感がまったくないので、備忘録的に簡単な例をおいておく。

利益の計算:

この例では、企業は¥200万の純利益を得ている。これは企業の収益性を示しており、売上からコストを差し引いた後の金額となる。

キャッシュフローの計算:

この場合、企業 A のキャッシュフローはマイナス¥100万。つまり、この期間中に企業は現金を¥100万失っていることになる。これは、売上があってもすべての顧客が即座に支払いを行っていないこと、また新しい設備への投資があったためとする。銀行ローンによる現金流入があったものの、それでも現金の総出入りはマイナスとなってしまう。

この例から分かるように、企業 A は紙上で利益を上げていますが、実際の現金の流れはマイナス。利益があっても、支払いが遅れていたり、大きな投資や費用が発生している場合、企業のキャッシュフローは負の状態になることがあるため、企業の財務健全性を評価する際には、利益だけでなくキャッシュフローも考慮する必要がある。

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