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「V字回復の経営 2年で会社を変えられますか 企業変革ドラマ」を読んだ


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ミドルが問題を他人のせいにしたがるのは、ミドルが自分の裁量で解決できない問題があまりにも多いからである。 ミドルを動きやすくしてやれば、組織は急に元気になる。

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やたらと出席者の多い大会議。ダメ会社症候群の典型。出席者を減らすと「自分は聞いていない」「関係ない」と拗ねる者が出てくる。 リーダーシップの弱い組織の特徴だ。

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妥協的態度=決定の先延ばし= 時間軸の延長 =競争力の低下。 外で負けることよりも、内部をよろしくやることのほうが大事だと思っている。

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役員ともなれば、どっしり構えて、大局的なことを考えていればいいのにと。 その考え方が間違っているのです。  調子の悪い会社は「上層部で大局的に語られている戦略」と「現場の実態」がつながっていないに決まっているのです。

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「社員のマインド・行動を束にするには、①明確な『戦略』が示されること、②社員が迷いなく走れるようにシンプルなビジネスプロセスが組まれていること、この二つがカギだ。」

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「われわれが『戦略』や『商売の基本サイクル』をいじくり回す目的はただ一つ……幹部や社員の マインドを一つに すること」 「皆が 目的と意味を共有 すること……そうすれば私たちの行動が束になり、すごいエネルギーが出るようになる」  だからタスクフォースの打ち出す戦略は、組織の新たな共通言語になり、社員の気持ちを束ねる接着剤の役割を果たすものでなければならないというのである。

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戦略とはまだ実行していないことを決めるのだから「仮説」である。 仮説の良し悪しはロジックで決める以外にないのだ。

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組織が「現実直視不足」に陥る理由としては、 ①リーダーが「現実直視」を行う能力に欠けている(たとえば、経営リテラシーが低いとか、経営経験が浅すぎて問題が見抜けないなど)、 ②情報不足(たとえば、会社の中でよい話しか上に伝わらないとか、情報の解析や報告手法がお粗末で誰も深刻さに気づかない、など)、 ③リーダーや幹部の時間軸認識が甘い(しばらく放っておいても構わないと思っている)、④目標への執着心が薄い(必死に取り組もうとしていない)、 ⑤そもそも判断の基礎になるべき「あるべき姿」が初めから曖昧、 などがある。

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行動を始める前に改めて原因分析が必要になるのである。  それまで「社内常識」で語られてきた問題の原因が本当の原因とは限らない。 むしろその逆のことが多い。 つまり、関係者が考えてきた原因は表層的なもので、背後に真の原因が隠れていることが多い。 しかしそれを見極めることは簡単ではない。 それが「分析力不足」の壁 である。  この壁を越えられるかどうかは二つの要素に依存する。 ①分析スキルと、②原因分析に対する「こだわり(執拗さ)」である。

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改革の継続力を保持するためには、 ①もともとのシナリオや改革の意味を社員に繰り返し思い出させる(双方向のコミュニケーションに努め、リーダーが「目的」と「意味」を提示し続ける)、 ②早期の成功(第六章要諦 45)が皆に見えやすいように実行計画を組む、 ③熱くて継続力のあるリーダーを上に立てる、 ④いつまでもネガティブな行動をとり続ける社員がいたら断固として排除する、などが重要である。

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「創って、作って、売る」の仕組みを早く定着させ、戦略を末端まで徹底し、改革シナリオが「多少サボっていても継続的効果を発揮する」ところまで持っていかなければならない。

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実行フォローへの緻密な落とし込み  失敗する改革ではトップが全体方針を述べ、部署別のテーマに落とし、「あとは新戦略の意味を考えて各部署で推進しなさい」というスタイルが多い。 あとの追及が弱く、「どうなっている?」と聞かれる間隔が次第に長くなっていき、最後は消えてしまう。  それに対してアスター工販の改革では、開発のセグメンテーション、顧客のセグメンテーション、営業進捗管理システム、大瀬靖司の編み出した「顧客魅力度」の判定ツールなど、戦略ストーリーを具体的な実行管理ツールに落とし込み、現場末端の活動にまでフォロー体制が連動するように工夫されている。 また、「目で見て分かる管理」へのこだわりがあった。 「頑張れ」の号令だけでは戦略は 実体化しない のである。「武器」や「道具」を作り、組織の各レベルをつながなければならない。

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